VINTAGE SÔNG BÉ

    







ベトナムの古いお皿。


何枚も重ねて焼いた跡、

絵柄の重なりや、滲み。


見映えもそこそこに

「生活」にぐっと重心があるような、

気取らないおおらかさが気に入っています。


明るいだけではない歴史的背景も含めて、

さまざまな国のエッセンスが お皿の中で混じりあいながら

ふしぎな魅力を醸しています。



かつてそこに在った暮らし、過去に想いを馳せるとき

未来を想像するのと同じくらい

ロマンチックな気持ちが湧いてきます。


何気なく過ぎていく毎日のなかには

思い出すとふと恋しくなるような情景があって、

(たとえ忘れてしまっていたとしても)

だれのなかにもそういう灯りが潜んでいると思うからです。


熱いご飯、熱いスープ、

テーブルのうえの柔らかな話し声。

計画できない、ただ正直な今日が

いまここで光っています。