手をのばして。

 



八月の洋子さん。



鼻の奥がつーんとする空気の冷たさ。

腹巻きに湯たんぽを抱いて

二月の身体を愛でています。


無防備なからだが 熱を欲して、

古い傷が痛んだり

風邪をひいてしまったりすることもありますが、

そこに(見えない)手を伸ばしているのは

わたしのほうです。






おととい、韓国での四十五日間の瞑想をあけて

洋子さんが泊まりにきてくれました。


一緒にご飯をたべたり、

ひみつの浜へ行ったり、

四六時中

取り留めのないおしゃべりが

私たちのあいだをふよふよと漂っていました。




心地いいなぁと頭で思うよりも前から、

身体どうしは見えない触手を繋いでいる。

そんなふうにおもいます。

思考をとびこえて

身体(自然)にはたしかな意思があると感じるからです。


風邪をひくことも、だれかを好きになることも、

きっと原理は同じです。