さびしさについて。






小雨が降る冬。

この雨は、

なまけもののわたしをゆるしてくれる

優しい雨です。


家の中に居るなら、

ストーブで芋を焼いたり、

本を読んだり、

膝をつきあわせておしゃべりしたい。

外へ出るなら、

サンドイッチの美味しいお店で

おおきな窓から雨をみたい。



きのうは、遠方から

生徒さんがプライベートレッスンに立ち寄ってくださいました。

雨の音を背景に

腹蔵なくお喋りしていると、

なみだがつたって光ってみえた。



どんなに近くにいても埋められないさびしさ、

それでもだれかに寄り添ってほしかった孤独が

自分の内にあるとしたら、

その「だれか」は

誰ともなくわたし自身なのだと

感じています。


押したり、引いたり、

だれかや、なにかで埋める必要のないもの。


それはただおくのほうから手を振って

気づかれるのを待っている

愛おしい感覚のひとつです。