腐草為蛍。





 








六月とは思えない 暑い日が続いています。





暑さに腐して 朽ちた草や竹の根が

蛍の光になって

暗闇に立ちあがっていくことを想うと、

とてもロマンチックな気持ちになります。





五月にはふよふよと弱々しかった稲苗が

もう随分しっかりした緑色になりました。

いつか刈り取る日が来ることが、あらかじめさびしい。


古びた機械がいよいよ動かなくなってしまい

実家の家業である米農家は今年でおしまいですが、

家族のだれが身体をいためるでもなく

機械が仕事を全うしてくれたことに感謝しています。

ドラマティックではない、

平凡でおだやかな日常は

あっけないくらいがちょうどよいのだなあと思います。







腐れたる草蛍と為るころ。


空想のなかで、甘やかなロマンチックを補いながら

さびしくて、うれしくて、

平凡で、ままならない現実を暮らしています。

















おかげさまで素敵な巾着ができました。

わたしがいちばんほくほくしています。

手にとってくださったみなさまありがとう。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。