われらかって

魚(うお)なりし頃

かたらひし

藻の蔭に似る

ゆふぐれ来たる

 水原紫苑




きょうの夕暮れは、

わたしたちがかつて

さかなだったころ  

語り合った

藻のかげに似ている


未来に想いを馳せるのと同じように、

過去を想像する自由があるなんて

なんてロマンチックなんだろうと思います。

ふしぎな現実味をもって

この短い歌に惹かれるのは、

家族や友だちや、大切なひとたちとの他愛のない時間に

そういう繋がりを信じていたい気持ちがあるからです。

ヒトが人になるずっと以前の、

はたまた、いつか還るとおい未来の。





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