先日、生徒さんが徐ろに貸してくださった

「ライオンのおやつ」という小説がじんわりと沁みて、

冬のからだが、温度と物語を欲しています。


今週、街の小さな映画館へ出かけて

ウォンカーウァイ監督の「恋する惑星」を観てきました。

20年以上まえに公開された有名な香港映画で、

わたしはこの映画をスクリーンではじめて観ました。

時が経っても色褪せない音楽や映像表現はとても新鮮で、

直接感覚に語りかけるような不思議な高揚感をもっています。

フィルムのなかに閉じこめられた、

若き日の俳優陣のイノセントな美しさもまた

この映画のおおきな魅力のひとつです。


今年、同監督5作品がレストアされ

映画館や配信で順次公開されています。

雨の日の緑がより色濃く見えるように、

香港の湿度が

刹那的な恋のきらめきみたいなものを、

色鮮やかに

言葉よりも詩的に

はだかよりも官能的に際立たせています。

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