けはいのなかで。





海から海部川を遡り、山の奥へ。

あゆこさんが毎年十一月に神事を手伝っている

轟神社と轟の滝に連れてきてもらいました。

轟神社は和御霊(にぎみたま)、轟の滝は荒御霊(あらみたま)、

水の二つの側面を神として祀り信仰の対象としています。

うっそうと苔が茂る森は、滝のしぶきと海からの湿気に昼夜問わず覆われています。


滝壺は女人禁制。

お祭りの前日から男性の神輿衆が 深夜まで裸で滝に入る禊をおこないます。

禊を済ませてから、神輿をかついでふたたび滝壺へ入るのです。

あゆこさんも前日からこの山奥の神社に泊まり込み、

神輿衆やお参りに来る方々のご飯をこしらえるというたいへんなお務めをしています。


この日はおどろくほどの水量で、

しぶきにちょうど射してきた光なかを歩きました。

力強くも神秘的で、本当に美しい神様でした。

見えないけれども なにかいるね、という気配につつまれています。


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